中古本の売買
日本では、再販制度により、中古本の売買は、中古書店に限られています。最近では、ブックオフがこの分野に参入し、各地のブックオフ店でも、中古本の売買が可能です。但しいわゆる専門書は、対象にならないことが多いようです。また書き込みが多いと、買ってもらえないこともあります。一方、アマゾン・ジャパンでは、中古本を購入することができます。
そこで、一部書店側から、法律の抜け駆けであるとか、不公平であるとかなどの評判が絶えません。しかし昨今の本離れの状況では、継続して本自体が売れなくなっていることと、所得の伸びがはかばかしくないことと相まって、アマゾン・ジャパンで中古本を購入する人々が絶えません。こうしたことを反映してか、過去20年で書店数をみると半数近くに減っています。
中古本市場規模
中古本市場規模ですが、日販の「出版物販売額の実態」2019年版に掲載されている2014年度から2018年度の動向をみると、2014年度から2018年度を比較すると、877億円から713億円へと、16.6%の減少になっています。一方、再販価格維持制度が撤廃されて定価でなくとも販売できるようになれば、新古書店の市場の何割かは確保できるかもしれません。無論それを見越して定価の新刊がさらに売れなくなる可能性もありますが。
ともあれ中古本市場も緩やかな動きではありますが、縮小傾向にあります。古書店はそれほどでもありませんが、返本された出版物を古書扱いの形で新古書としてリサイクルされる「新古書」を扱う新古書店の縮小度合いはやや大きめです。電子書籍の普及に伴い、新古書店の需要も供給も今後さらに少なくなることは容易に想像できると思います。